クレジットカード現金化のリスク(危険性)!一括請求や強制解約はあり得る?

急にお金が必要になった時、貯金を切り崩したり、消費者金融に頼ったりするのはためらってしまうものです。
そんな時、クレジットカードのショッピング枠を使った現金化なら手軽に資金調達することができるので、利用者は年々増加傾向にあります。
しかし、そんな魅力的なクレジットカード現金化にもリスクがあるので、しっかり把握しておかなければいけません。
もしリスクを知らずに利用してしまうと、最悪自己破産になる恐れも…!
正しく使えば便利なことに間違いはないので、理解したうえで利用するようにしましょう。

クレジットカード現金化は違法?

クレジットカード現金化を利用する前に、その違法性について知っておきたいですよね。
ネットで調べてみると「クレジットカード現金化は違法です」というサイトがあれば、逆に「クレジットカード現金化は違法ではありません」というサイトもあり、情報が錯綜しています。
利用者にとってはどっちを信じればいいのか分からず、困惑してしまいますよね。
しかし実際のところは、どちらのサイトも全くのウソというわけではないのです。

基本的にクレジットカード現金化は違法ではありません。
ただ、利用方法を間違えると違法行為にあたることもあるので注意が必要です。
どのように利用すると違法になるのか、具体的な罪名を挙げながら説明したいと思います。

罪名①貸金業法違反

貸金業法違反は現金化業者側が問われる罪です。
そもそもクレジットカード現金化は商品を取引する形(商取引)を偽装することで、貸金業法を違反しないようにしています。
しかし取引に使われる商品は、取引金額に相応な価値でなければいけないので、例えば1,000円の商品に対し50,000円を貸し付けするのは割に合わない話です。
このように最初から現金を貸し付けることが目的であれば、現金化業者は金融業法に基づいた登録をする必要があります。

しかし実際は、古物商の許可のみで運営している業者は少なくなく、利用者にも隠して、あたかも正式に許可を得て営業しているように見せていることがあります。
現金化業者は取引の目的が商取引ではなく貸し付けであれば、金融業法に基づいた登録取得が必須です。しかし、未登録のまま運営していたら、貸金業法に違反していることになります。
※この場合、利用者側は違法にあたることはありませんが、利用する業者の登録取得は確認しておいたほうが安心です。

罪名②出資法違反

出資法違反も貸金業法違反と同じく、現金化業者側が問われる罪です。
実は2011年に、キャッシュバックスという業者が日本で初めて出資法違反で摘発されています。
出資法とは、国で定めている金利以上で貸し付けを行うことを禁止している法律です。
つまり、法定外の高金利で貸し付けた場合は、出資法違反として業者が摘発されます。
利用者側が逮捕さることはありませんが、このように違反をしてまで貸し付けする悪徳業者がいることを忘れてはいけません。

罪名③横領罪・詐欺罪

横領罪・詐欺罪は利用者側が問われる可能性のある罪です。
今のところ、横領罪・詐欺罪で捕まった利用者はいませんが、クレジットカード現金化はグレーゾーンの中で行われているので、場合によっては告発される可能性があります。

そもそもクレジットカードを利用して購入した商品は、支払いが完了するまでカード会社に所有権があり、勝手に転売することは禁止されています。
例えば8月にブランドバックを購入し、同月に転売したとします。
クレジットカードの請求は翌月なので、支払いが終わる前に転売したということで横領罪になる可能性があるのです。
一括払いでなく、リボ払いなど分割していれば、全て支払い終わるまでは商品を手元に残しておかなければいけません。
近年ではこういったトラブルを防ぐために、ほとんどの現金化業者は商品の買戻しではなく、キャッシュバックという形を主流としています。

また、カード会社はショッピング枠を使った現金化行為を認めていないので、最初から現金化が目的であれば、意図的にカード会社を騙したということで詐欺罪にあたる可能性があります。
利用者にとっては後できちんと返すつもりでも、クレジットカード現金化を利用する人は多重債務を負っている可能性が高く、回収できない危険性もあるので、この場合カード会社はそういったリスクを背負わされたことになります。

大半の方は違法性を知らずに利用していますが、クレジットカード現金化はグレーゾーンの取引であり、一歩間違えるとリスクを負う可能性があります。
その辺をしっかり理解したうえで、利用するようにしましょう。

関連ページ:クレジットカード現金化を利用する前に知っておきたい3つのリスク!信用情報に乗らないように気を付ける。

クレジットカード現金化で起こりえる5つのリスク

クレジットカード現金化には5つのリスクがあるといわれています。
これから紹介するリスクはカード会社が設けている規約に違反するため課せられるペナルティーであり、法律上の問題ではないので逮捕云々ということではありません。
逮捕までいかなくても厳しいペナルティーを課せられることに間違いはないので、しっかり理解したうえで利用するようにしましょう。

リスク①利用停止・強制解約は避けられない可能性大!

ショッピング枠を使った現金化はカード会社が規約で禁止している行為ですので、見つかった場合は利用停止、もしくは強制解約される可能性は大です。
クレジットカードが使えなくなるので現金化はもちろん、ショッピングやサービス代金の支払いにクレジットカードが使えなくなります。
今まで頻繁にクレジットカードを使っていた方にとっては、かなり不便な生活になるでしょう。

また、クレジットカード現金化はブラックリストに載りやすい行為なので、一度でも現金化行為をクレジットカードから指摘されたら、他社でカードを作ろうとしても審査に通らなかったり、住宅ローンや自動車ローンなど各種ローンを組めなかったり、さまざまなリスクが発生する可能性があります。

リスク②一括請求で首が回らない状態に…

現金化がバレてしまい強制解約を強いられた場合、その時点で残金があれば即時一括での返済を求められます。
問題なく返せる金額であればいいのですが、もし返済できなかったら、給料や銀行口座が差し押さえられてしまい、借金があることを会社の人に知られてしまうかもしれません。
そうなる前にまずはカード会社に相談して、支払う意思を見せれば、そこまでの強硬手段は取られないかと思いますが、最悪の場合、任意整理や自己破産までいくケースが少なくないようです。

リスク③最後の頼みのはずなのに債務整理ができない場合も…

債務整理(借金を減らしたり、支払いに猶予を持たせたりして、借金生活の負担を軽くする手続き)ができないといっても、自己破産が難しいだけであり任意整理と個人再生はできます。
ただ、自己破産は借金生活を終わらせて再スタートする唯一の方法なので、できないと困る…という方も多いでしょう。
なぜ、債務整理の中でも自己破産だけできないのか?
そもそもクレジットカード現金化はカード会社が禁止している行為なので、裁判所からの免責が認められていないことが最大の理由です。
免責とは借金を負った者が本来持っている借金返済の責任を裁判所の指示によって免除された状態のことです。しかし、クレジットカード現金化は免責不許事由(自己破産の免責が認められないケース)に挙げられているため、裁判所が現金化を理由に自己破産を認めることはありません。

ただし例外として、

  • 悪質でない
  • 組織的でない
  • 本人が深く反省している

など裁判所の裁量によっては免責許可が下りる可能性もあるので、絶対に自己破産ができないというわけではありません。
ただし、危険性はかなり高いので、あまり期待しないほうがいいでしょう。

自己破産

家や車といった高価な財産を手放す必要はあるものの、財産がなく支払い能力がないことを裁判所が認めれば、法律上、借金の支払い義務を免除してもらえる債務整理の手続きのひとつです。戸籍に記録が残ったり、就職活動に支障が出たりすることはありませんし、家族が保証人になっていなければ家族に迷惑がかかることもありません。

任意整理

借金の減額や金利の引き直しなどを交渉することで、毎月の返済を無理のない範囲でできるようにする債務整理の一種です。
また、任意整理を行うことで過払い金の発生が分かった場合は、払い過ぎてしまったお金を取り戻すこともできます。
他の債務整理と違うところは、裁判所を通さずに業者と交渉を行わなければいけないので、ほとんどの場合利用者は弁護士を雇って手続きを行っています。

個人再生(民事再生)

借金の負担が大きく返済困難であることを裁判所に認めてもらえれば、借金が減額されます。借金の額が5000万円以下の場合、最低返済額が最大10分の1まで減る可能性もあるので、負担はかなり軽くなります。個人再生では減額された借金を3年~5年かけて分割して返済することになります。
また個人再生は自己破産とは違い、家や車などの財産を持ったまま利用できる債務整理です。さらに特定の職業に就けないといった制限もありません。

関連ページ:クレジットカード現金化したあと利用額は分割払いが可能だが一括と分割では金利が違うので気を付ける

リスク④金銭的に損をしてしまう可能性がある

クレジットカード現金化は、深夜でも休日でも短時間のうちに現金を入手できる、便利な方法です。
しかし、クレジットカードの引落とし日までに、購入した商品の代金を用意しなければなりません。
現金化率が高い現金化業者を利用しても、入手できた現金とクレジットカードの支払額には差額があります。
この差額が現金化業者の手数料となるわけですが、それをキャッシングやカードローンなどで借りた場合の利息と考えると、法定金利をはるかに超える利息を支払っていることになります。

たとえば、10万円を換金率90%の業者で現金化したとすると、9万円の現金が手に入ります。
この場合、業者の手数料は10%で1万円になります。
これを、「9万円借りて、1ヵ月後に1万円の利息を加えて10万円返済した」という借金だと考えて、金利を計算してみましょう。

利息の計算は、利息額=元本(借入額)×金利÷365×借入期間 で出ますので、数字を当てはめて計算してみましょう。
なお、クレジットカードの引落とし日が1ヵ月後として、借入期間は30日間とします。

<計算式>
10000円(利息額)=90000円(元本)×●%(金利) ÷365×30日(借入期間)
計算していくと、金利は年約135.2%になります。

借入れをした場合の法定金利は次のようになっています。

・元本の金額が10万円未満の場合の上限金利 → 年20%
・元本の金額が10万円以上から100万円未満の場合の上限金利 → 年18%
・元本の金額が100万円以上の場合の上限金利 → 年15%

現金化率90%はクレジットカード現金化業者の中では高い現金化率になりますが、それでも借入れの場合の法定金利20%と比べるとはるかに高く、借入れした場合と比べると損をしていることがわかります。

リスク⑤犯罪や詐欺に遭う可能性がある

クレジットカード現金化は利用者が増えるにつれ、多くの業者が参入してきており、その中には悪徳業者が混ざっている可能性があります。

悪徳業者は高い現金化率で派手に宣伝して集客していますので、現金化率だけを見てうっかり関わってしまうと、クレジットカード情報など個人情報を盗まれたり、最初の話より現金化率が大幅に低くなった金額を振込まれ、現金化に失敗してしまう可能性があります。
悪徳業者の中には、闇金業者が隠れ蓑として参入している場合があり、現金化をした途端、怪しい勧誘メールが闇金業者から届くようになったという話も聞かれます。
また、業者の指示通りにクレジットカードで商品を購入したのに、キャッシュバックのお金が振り込まれず、大損したという被害もあるようです。

このように悪徳業者に関わってしまったために、犯罪に巻き込まれたり、被害に遭ったりする可能性があるのです。

リスクを負わないために気を付けるべきポイント

クレジットカード現金化は融資ではないので、クレジットカードさえ持っていれば誰でも利用できる資金調達法です。
クレジットカード自体は収入がなくても作れるので、ショッピング枠を使った現金化は安定した職に就いていないフリーターや専業主婦、学生でも簡単に利用することができます。
しかし便利な反面、やり方を間違ってしまうと上記で挙げた3つのペナルティーが課せられてしまう恐れがあることも忘れてはいけません。
リスクを負わないためにはどうすればいいのか?
気を付けるべきポイントについて、まとめてみました。

ショッピング枠の限度額ギリギリまで利用しない

カード会社が現金化を見つけるひとつの方法として、現金化をする人の特徴である「ショッピング枠が上限に達している」点に着目し、上限に達している人を自動的ピックアップするシステムを構築しています。
全利用者の購入履歴をチェックするのは難しいですが、限度額いっぱいまで使っている人の購入履歴をチェックするのはそう難しいことではありません。
したがって限度額に余裕を持たせることで、監視の目を避けることができます。

換金率の高い商品を大量購入しない

個人でクレジットカード現金化を行う場合、商品を購入し、その購入した商品を転売しなくてはいけません。
転売目的であれば、少しでも換金率が高い商品を購入するのが当たり前ですよね。
しかし、カード会社は換金目的の可能性が高い商品の購入を厳しくチェックしています。もしそのような商品を大量購入した場合は電話で確認または警告されたりしますし、警告を無視して何度も繰り返すと最悪、利用停止になることもあります。
ちなみに換金率の高い商品には、

  • 新幹線の回数券
  • 商品券
  • 最新のパソコン
  • デジタルカメラ
  • 流行&人気のゲーム機

などが挙げられます。
ただ、これらの商品を購入したとしても常識の範囲を超える頻度でなければ電話がくることはありません。

現金化に厳しいカード会社を避ける

クレジットカードを現金化目的で利用していないか、カード会社は常に監視しています。
しかしカード会社によっては特に厳しくチェックしているところもあるので、なるべくならそういったカード会社は避けたほうが無難でしょう。
ちなみに、クレジットカード現金化に厳しいカード会社は以下の通りです。

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  • JCB
  • 三井住友VISAカード
  • トヨタTS3カード
  • アメックス
  • シティカード
  • ダイナースカード
  • もちろん、上記以外のカード会社を利用したからといってリスクが0になるわけではありません。
    リスクが少しだけ回避される、という程度です。

    関連ページ:クレジットカード会社の締め日・支払い日(請求)・支払い方法についてのまとめ

    専門の優良業者を利用する

    同じクレジットカード現金化でも、個人で商品を購入してその商品を転売する方法は、リスクがとても高くなります。
    実際に自分で現金化した経験がある方の中には、思っていたよりも手元に入った現金が少なかった、という苦い思いをした方も多いのではないでしょうか。
    しかしクレジットカード現金化を専門に扱う業者を利用すれば、このような問題は大分回避され、安心して資金調達することができますが、より安全にクレジットカード現金化を行うためには、優良店を見つけることが最大のポイントとなります。

    優良業者を見極めるポイント

    • 買取り方式ではなくキャッシュバック方式を採用している
    • フリーダイヤルを導入している(固定電話も可)
    • ホームページの質が高い
    • 会社概要が明記されている
    • 口コミ評価が高い

    まずはこの5つのポイントをクリアしていない業者には気を付けたほうが良いでしょう。
    もしも悪徳業者を利用してしまうと説明されていた換金率よりも低かったり、個人情報を漏えいされたりする可能性があります。
    換金率の高さだけで業者を選ぶことだけは絶対に止めてください。

    まとめ

    クレジットカード現金化は違法ではありませんが、黒に近いグレーゾーンの資金調達法といえます。
    やり方次第では、詐欺罪や横領罪に問われる可能性だってあります。
    そもそもカード会社では、ショッピング枠を現金化目的で使用することを禁止しているので、バレてしまうと利用停止・強制解約・残金の一括請求といった処分のほか、自己破産手続きができないといったリスクを背負わされる可能性も十分にあります。
    安全にクレジットカード現金化を行うためには、

    • 定期的にカードを利用する
    • 現金化に厳しいカード会社を避ける
    • ショッピング枠の限度枠に余裕を持たせる
    • 個人的に行うのではなく専門の優良業者を利用する

    などを意識するようにしましょう。

    ここでは、クレジットカード現金化のリスク(危険性)!一括請求や強制解約はあり得る?についての紹介をしました。

    投稿者プロフィール

    橋本隆志
    橋本隆志
    借金総額300万円
    消費者金融からお金を借り、借金返済をする為にクレジットカードで現金化をした経験などを元に執筆をしています。